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2006年4月の記事

2006年4月30日 (日)

ルパン、記号、トム?『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン

P10_3ベストセラーを避ける傾向にあるなどと言いながら、つい読んでしまった本がある。話題というより、ブームの感もある『ダ・ヴィンチ・コード』。そういえば最近、出張が多いせいか読書量が増えている。(通勤途中で読むこともあり、必然的に文庫)『イン・ザ・プール』奥田英郎、『東京タワー』江國香織、『玉蘭』桐野夏生、『プレイ -獲物-』マイクル・クライトン・・・って、ほとんど“売れ線”の作品じゃん!と、乗せられやすいミーハーぶりを自覚する。

幼い頃、モーリス・ルブランの<アルセーヌ・リュパン>(当時は“ルパン”表記)シリーズが好きだった。新刊が出る度に、親にせがんで買ってもらい、貪るように読んだ。『奇巌城』『八点鐘』『黄金三角』『虎の牙』・・・タイトルを目にするだけで、子供の頃のワクワク・どきどき感が蘇る。パリとその周辺の街を舞台にした冒険物語。セーヌ河畔、シャイヨー街、ル・アーブルなどの地名に夢想が広がった。同時代のシャーロック・ホームズが登場したりする設定も、子供ながら不思議で、興味深かった。(なぜ他の作者の著書の登場人物が?!)リュパン派だった子供の頃の私は、ホームズは一冊も読まなかった。

『ダ・ヴィンチ・コード』を読んで、そんな記憶が呼び覚まされた。パリとロンドンを結ぶダイナミックな場面展開、登場人物の裏の顔、中世から続く謎の組織、隠された秘密を暴こうとする主人公、それを助ける謎めいた女、その女性の数奇な運命、一筋縄ではいかない暗号(記号)の数々・・・。リュパンの設定そのもの!そうかぁ、読んでる途中で感じた、どこか懐かしい“ワクワク感”は、そんなところから来ていたのかもしれない。

思い出せば、NYCの友人に去年のロンドン・パリを訪れた夏の旅行を“ダ・ヴィンチ・コードを巡る旅”?と尋ねられた。やっと意味が分かった。去年ハードカバーで読んでいたら・・・。ちょっと惜しいことをした。それにしても、映画化されたり、解読本・関連本が出たり、長い長い世界的なブーム。映画公開直前に文庫化するというマーケティング戦略に、上手く乗せられて読んでしまった訳だ。毎週楽しみにしているTXの番組『美の巨匠たち』でも、2週間にわたってダ・ヴィンチを取り上げていた。う~む。どうしても私に『ダ・ヴィンチ・コード』を観に、映画館まで足を運べ!と画策しているようだ。(皆に対して画策してるんだけどね)乗せられついでに観に行くかぁ。でも、トム・ハンクスは好きだけど、主人公のラングドンとはイメージが違うんだけどなぁ・・・。ぶつぶつ。

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2006年4月29日 (土)

蕎麦(屋)で一杯!「たかせ」「京都薬師庵 にしんそば」

P1010552P1010553_1妻の帰りが遅い。それも毎日。終電に間に合うように、携帯に“カエレコール”をするのが日課。時間を忘れて仕事を続けると終電に乗り遅れ、自腹でタクシー⇒小遣い減少⇒美味しいものが食べられない・・・という法則を打破するための自衛策。でも妻のセクションでは“愛の終電コール”と呼ばれているらしい。人事担当の妻がむちゃ忙しいこの季節の風物詩。

妻と一緒に食事ができず、必然的に一人の夕食。嫌い。馴染みの店で独りで飲むのも良いけれど、「今日は珍しくお独りですか?」と尋ねられ、それに応え、店のスタッフと会話を続けるのが面倒な日もある。そんな日はランチ仲間の女の子たちを誘う。「蕎麦屋でサクッと飲んで帰ろうか?」・・・同僚男性ではなく、若い女性を誘ってしまう性癖は、転職しても変わらない。「行きましょう!蕎麦屋で酒飲み♪」

神保町は蕎麦屋が多い街だ。それも、美味しい蕎麦屋が何軒も点在する。ランチ時に訪れ、夜のための下見もしてある。この店もその中の一軒。<手打蕎麦 たかせ>。控えめな店構え、佇まい。小ぎれいな店内で、いかにも蕎麦屋という品書きを眺めにんまり。「お腹空きましたねぇ!」小さな身体にたっぷりの食欲、という二人が次々に注文する。疲れていたという、最初は元気がなかった一人が、みるみる元気になる。頬に赤みが差してくる。(食べさせておけば元気になるやつ!)酒も旨い。仕事の話は(極力)しない。サクッと飲むはずが4時間近く(!)飲み続け、〆は元気にセイロ。良い酒だ。

しかし、そんな日ばかりではない。誰も誘えず家で独り食べることもある。そんな日のメニューのひとつはこれ。近所のスーパーで売っている<京都 薬師庵>のにしんそば。冷えたビールをひと口飲んで、温めた身欠き鰊をかじる。旨っ!蕎麦を啜る。やや柔らかめだが合格!黒七味の風味が食欲をそそる。(この黒七味、かなり旨い。京都祇園の<原了郭>という店の登録商標。お薦め!)これを味わいたくて食べているようなもの。

深夜1時。TVを観ながらうとうとしていると妻が帰った様子。「何か食べた?」「クラッカー1ヶ」無駄とは知りながら続けて尋ねる。「この時間からは食べない方が良いよ」「うん、柿ピー1袋だけ」これが今日の主食となるらしい。仕方がない、ビール1本付き合うか。近所の隠れた名店<いとう>のおかきを食べる。「あ、私も!これ、美味しいよね」
・・・22時以降は固形物を食べないという誓いは、お気楽夫婦には守れそうもない。

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2006年4月23日 (日)

どちらが買い?「倖田來未BEST」

P1010556_1お気楽夫婦の週末のリビングでは、音楽系のTV番組が流れ続けている。MTV、スペースシャワーTVなどのチャート番組。新聞を読みながら、持ち帰りの仕事をしながら、ブログの記事を書きながら視聴。BGMというよりは、BGV。音楽だけでも良いけど、映像があることで“音の印象”が深くなる。気になる“メロディ”が耳に入ると、読みかけの新聞から画面に視線が移る。

80年代のビデオクリップ全盛の頃、音楽がもっと身近にあった。<BEST HIT USA>で小林克也の声を聴きながら、毎週のチャートイン曲を楽しんでいた。(入院したという小林さん、お元気でしょうか?)それぞれの楽曲の印象に、その頃の自分の記憶とビデオ映像がダブる。深夜番組で「懐かしの'80名曲の数々。レーベルを超えた特別企画、CD10枚組みを今なら14,800円!」とか、良くあるCFを観ながら、「惜しいなぁ、これでDVDとかで映像付きなら倍の値段出しても“買い”なのになぁ・・・」と呟き合う日常。CDショップでそんな企画モノDVDを探したことも何度か。

しかし、ようやく期待できる作品が出始めた。昨年後半にブレークした倖田來未。“エロかっこイイ”のキャッチもすっかり定着。立て続けにリリースされた彼女のベストCD2枚組みは、いずれもDVD付き!それも、オリジナル映像そのままを集めたクリップ集。昨年の<Best ~first things~>は、デビューから(当時の)最新ナンバーまでリリース順に映像が並び、彼女の変化が楽しめる。そして<Best ~second session~>は、12週連続リリースしたシングル曲を中心に。それぞれ映像作品としても楽しめ、お得。・・・なのに、価格は通常のCD並み。こんな企画を待っていた!もちろん“買い!”

<ポルノグラフィティ>、<Hitomi>、最近発売の<スピッツ>も、ベスト盤を購入。(でも残念ながら通常のCDのみ)最新のアルバムを追いかけるアーティストが少なくなり、気に入ったアーティストのベスト盤発売を待つというライトユーザー化してしまった。それはそれで淋しいが、だとしたらなおさら、“ベスト盤+ビデオクリップ集”という、二人にとっての“ベスト盤”が定着して欲しい。

「老後の楽しみとして、一緒に映像観ながら音楽聴けるDVDがあると良いよね」「そうそう、あの頃はとか言いながら?でも新しいものもキャッチアップしたいなぁ。<WaT>のウェンツ君、可愛いよ」・・・妻は、タレ目のバター顔好き。CATVで録画した<スピン・シティ(マイケル・J・フォックス主演)>のビデオが大量に保管されている。このGWにDVDで保存し直すという計画。(この映像も老後の楽しみらしい。一緒に観るのは・・・)

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2006年4月22日 (土)

春は筍「天一/新宿」

P10_5春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて・・・この『枕草子』の一節の後に、春眠暁を覚えず、とか続くのだが、お気楽オヤジの朝の目覚めは早い。暁はしっかり覚えている。春の朝は、窓から見下ろす新緑が朝日を浴びて輝き、爽やか。暁の頃に独り、リビングルームで本を読むのは実に気持が良い。昨夜の深酒もなんのその、読めなかった夕刊にも目を通す。残業続きで終電帰りの妻が起きてくる前に洗濯を済ませ、朝食を準備する。・・・お気楽夫婦の週末の朝は、そんな風に始まる。

春になると、気持が切り替わる。仕事も3月末でひと区切り。特に今年は転職して半年余り。やることはやった、結果は残したという満足感。そして、4月1日から新鮮な気持で新しい年度を迎え・・・ない会社だった。毎月のように人事異動があり、新年度には大きく組織も変わらない。社員が多すぎて、全員集まってキックオフ!というノリでもないらしい。ふ~ん、だったら食べるもので季節感を味わうか。「じゃあ、天ぷら食べに行こうよ!蕗の薹食べなきゃ!」こんな時にはレスポンスが早い妻。ということで、伊勢丹新宿店にある<天一>に向かった。

初めて“お好み”で寿司を食べたのは何歳ぐらいの頃だったんだろう?どきどきしながらネタを選ぶ。ネタの季節を考え、板さんに注文するタイミングを計り、緊張しながら。寿しネタの旬は(旬じゃなくてもいつでも置いてあるネタもあり)なかなか覚えるのが難しい。しかし、天ぷらネタの季節は分かりやすい。だからこそ季節を味わうにはぴったり。カウンタに座り、揚げたてを食べる悦びに目覚めてからはなおさら。その中でも<天一>の天ぷらが大のお気に入り。衣も軽やかで、繊細。小食の二人でも季節の食材をたっぷり味わえる。デパートに出店している敷居の低さも、お気楽夫婦にはぴったり。

“蕗の薹”の季節は既にお終い。残念。代わりに“タラの芽”“コゴミ”の山菜シリーズから揚げてもらう。口の中にサクッとした食感と共に春の香りが拡がる。続いて“稚鮎”にはちょっと早かったので、“銀宝”。これまた旨い。そして“アスパラ”“穴子”“サイマキ海老”“蓮根”を立て続けにオーダー。調子に乗り、カヴァのハーフボトルも。くぅ~っ、きりっと冷えてサクサクの天ぷらと良く合う。そして、その日楽しみにしていた“筍”の天ぷらが登場。んまいっ!「つくづく春だねぇ」「うん、やっぱりこの季節は天ぷら食べなきゃぁね」「春はタケノコ、やうやう暖かくなりゆく・・・」「え?何か言った?」・・・いえ、何も。

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2006年4月16日 (日)

京都ふたたび、再び「味味香」

P10_1「うどんの美味しい店ありませんか?」前回の京都出張で、おみやげを買いに立ち寄った<あぶらとり紙>専門店の可愛いお姉さんに尋ねると、にこやかに地図まで書いて 教えてくれた。「<味味香>と書いて(みみこう)言います。美味しい店いうて評判どす。ここから5分ほどかかりますけど」・・・問題なし。行くべ し!重いバッグも気にならない。ようやく遅い昼ごはん。地図通りに訪ねると、あった。・・・が、あれ?シャッターが閉まっている。閉店?良く見るとシャッターに貼紙。「営業時間18時~翌5: 30」・・・おいおいっ!

その出張の帰り、京都駅のホームで何気なく買った雑誌『straight』の特集<極上カレーお取り寄せ>に、<味味香>が掲載されていた。カレーうどんが評判らしい。これは神の啓示か。次のチャンスにこそ!・・・そして2週間後、リベンジの機会はやって来た。再度の京都出張。今回こそ行くべし!円山公園で枝垂桜を眺め、春とは思えない寒さに身体中を凍えさせながら、温かそうな屋台のおでんを我慢し、<味味香>に向かった。場所は木屋町。周囲は既に夜の顔。呼び込みのお兄さんたちの誘惑にも負けず、一杯も飲んでもいないのに“あがり”の店で食べるカレーうどん。これもまた良き哉。

この店では、麺や辛さを選び、牛肉・豚肉・きつね・甘きつねなどの具を選び、生卵・半熟卵などのトッピングを選ぶ。私が選んだのは<甘きつねカレーの半熟卵入り>。マイルドな色合い、とろとろの出汁、色っぽくカレーに絡み「もうどうにでもして!」状態のうどんと半熟卵、一心同体の九条葱、そして大きな揚げが2枚。うひゃぁ~、挑発的な香り。旨そう。逸る気持を抑えて、まずは記念撮影。そして小さな丼へ少しづつ取り分け、最初の一口。熱々の揚げを齧ると、とろみたっぷりのカレースープが絡みつつ、熱っ、旨っ、うひゃっ!そしてうどんは柔らかで、優しい。これまた旨い。そして何よりもカレーの辛味がそれらの具材に良く合う合う。ほんっとに、こりゃ旨い。・・・う~ん、これは、独りで楽しんではいけない。なにせ妻はカレーうどんが大好物。「持ち帰り用2人前ください!」

そして、週末。お気楽夫婦の食卓に<味味香>のカレーうどんが。<豚肉カレーうどん>と<きつねカレーうどん>揚げ玉と溶いた生卵を、熱々の丼に乗せる。「美味しいよねぇ。これ、ほんとに旨かったんだよぉ。どう?」「うん」「ほんっとに旨いよなぁ?」「ん、なかなか美味しい」・・・口数は少なく、表現は控えめだけど、最後の一滴まで飲み干した。満足の表情。ほんとに美味しかったらしい。(・・・それにしても、分かりにくいやつ!)「今度は一緒に食べに行こうね!」そう言うと、妻が微笑み、小さく肯いた。

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2006年4月15日 (土)

京都ふたたび「円山公園の枝垂桜」

P10_2都内の桜がすっかり散ってしまった4月中旬、京都を訪ねた。桜が似合う古都の春は、東京に比べゆったりとやってくる。JR東海のキャンペーンで、益々有名になった円山公園の<枝垂桜>は、今まさしく満開。慌しく訪れた前回の出張は、まだ桜も蕾、肌寒い3月末。四条河原町近辺を重い荷物を持って歩き回り、その日に帰る日程。春の京都を味わうべくもなかった。それに比べ、今回は京都泊。チェックイン後に、夜桜見物ができる。ありがたい。

その季節でなければ観られない風景がある。会社勤めの身では、なかなかタイミング良く訪れることもできない贅沢な旅の風景。文字通り桜色に染まった京都の街を、のんびり歩く。三条通りを東に向かい、高瀬川を渡る。都会の貴重な清流の上に、満開の桜が枝を伸ばす。木屋町通りと先斗町に少し寄り道をしながら桜見物。明るさの僅かに残る街には、まだ夜の喧騒も訪れていない。外国人観光客が何度もシャッターを切る。ちょっと誇らしい“日本の風景”。三条大橋を渡り、対岸の先斗町歌舞練場を眺めながら、鴨川沿いの歩道を歩く。レンギョウやユキヤナギ、枝垂桜が咲き競う。日本人の私も、何度もシャッターを押す。ちょっと嬉しくなる“春の風景”。

まだ穏やかな顔の祇園の街をぶらつきながら、知恩院の三門に辿り着く。すでに拝観時間は終わっているが、境内のソメイヨシノを門外から眺める。観る人を厳粛な気持にさせる壮麗な景色。そして、隣接する円山公園へ。人混みの向こうに枝垂桜が周囲を圧して立ち上がっている。暮れかかる淡く蒼い空の色に、ライトアップされた枝垂桜の花の色が溶け始める妖しい風景。樹齢80年近い老木の、切られた枝が痛々しく空に伸びる姿は、妖艶さと老醜とが入り混じる。<一重白彼岸枝垂桜>と名付けられた二代目。先代は樹齢220年で枯死したという。待望の風景を眼前にしつつも、複雑な気持。

桜前線はとっくに北に向かったと思っていたのに、西に向かった旅(出張だけど)でもう一度春に出会った。今年、二度目の春。春爛漫の京都の街を独り歩いていると、夢の中を歩いているような、妙な現実感のなさに、気持が落ち着かない。ん?出張中なのに、優雅に夜桜見物などしているから?ごもっともです。

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2006年4月10日 (月)

不定期営業中!「BAR808」

Pbar808たまにしか営業しない、小ぢんまりとしたBARがある。場所は世田谷の外れ。年に数回、数人の客が訪れる。ほとんどの客は近所で四川料理を食べた後、揃って来店する。会員制ではないけれど、マスターの知人である必要がある。マスターも酒飲み。酒好き。客と一緒に“大いに”飲む。席数は大きなテーブルとソファを合わせて10人程度。貸し切りが原則。チャージはない。メニューもない。酒の持込も自由。デザートを持ち込む客も多い。

先日も数名の来客があった。<モエ エ シャンドン ブリュ アンペリアル>、大量の<ピエール・マルコリーニ>のカップアイス、京都<紫野和久傳>の和菓子、これまた大量の<笑い声>が持ち込まれた。マスターの嗜好を完璧に理解した、初来店とは思えないグッチョイス!建築家だという唯一の男性客は、自分が手掛けた住宅が掲載された雑誌も持参してくれた。グッジョブ!他は全て女性客。マスターの余技であるスカッシュで一緒に汗を流した後での来店。・・・そう、この店は女性客が圧倒的に多い。これは決してマスターの方針ではないらしいが、そう思われても仕方がない。

その日の客たちがやはり一軒目に立ち寄ったのは四川料理の店。<蒸し鶏の山椒和え><穴子とマコモ茸の四川炒め><海鮮春巻><海老の豆鼓炒め><春野菜の煮込み><四川水餃子><麻婆豆腐><坦々麺><汁なし香酢坦々麺>などをたっぷり食したらしい。この店はマスターお薦めの店。彼が20年以上通う、マスコミ取材お断りの、小さな中華料理屋。その日も予約の3組だけで店は満席。厨房のオヤジさんと、接客のオバちゃんの二人がフル回転。・・・そんな店の料理で、辛味と旨味で舌を痺れさせて、客たちはそのBARにやってくる。

以前、このBARは“ビストロ”として営業もしていた頃もあった。その日のテーマによって、イタリアン、中華、沖縄ン、和食などが供された。メキシカンのデリバリでテーブルが賑わったこともあった。しかし最近はBARのみ営業。これはマスターの営業方針と言うよりは、ママの方針らしい。「だって、外で食べた方が美味しいでしょ」・・・そんな<BAR808>、営業日も時間も不定期ながら営業中!(居心地が良いと評判らしく、閉店時間も決まっていないので、お帰りの時間にだけはご注意を!)

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2006年4月 9日 (日)

大人のリゾートとは?「ホテル ラ シェネガ」

P101そのMooksに掲載されているホテルは全て制覇しよう!そう誓った。コンセプトは“快適なホテルに泊まって、美味しいものを食べる旅”。そのホテルに泊まることを目的に、その店で食事をするために訪れる。そう、お気楽夫婦の旅のコンセプトにぴったり。そんな二人のバイブルの名前は『山本益博の1泊2日 くいしんぼの旅』。

10年ほど前の春、掲載されていたホテルのひとつ、湯河原の<ホテル ラ シェネガ>と、初島の<初島クラブ>に出かけた。暖かな陽射しが心地よい週末。初日の<ラ シェネガ>にチェックイン。「予約したIGAです」「お待ちしておりましたIGAさま・・・。失礼ですが、明日のご予約で承っているようですが?」「え?明日は初島の予定ですが」「少々お待ちください」待つことしばし。「お待たせしましたIGAさま。ご予約いただいたお部屋のタイプがあいにく全てふさがっておりまして、他のタイプのお部屋へのご案内になります」「結構ですよ」・・・うぅ~ん、予約を間違えたかなぁ?と思いつつ案内された部屋へ。

するとそこは・・・メゾネットスィート!階上が春の陽射しに明るく光る相模湾が望めるベッドルーム。階下がゆったりソファのリビングルーム。自分のミスかな?という疑念は完全に忘れることにした。「ありがとう。良い部屋ですね」「ごゆっくりお寛ぎください」・・・寛ぎますとも!妻も思わず微笑む。客室から張り出したテラスからは明日訪れる予定の初島が見える。眼下には相模湾につながるような、白い椅子が並ぶおしゃれなプール。リゾートでのゆったりした時間が流れる。そしてお楽しみの夕食。海を眺めるサンルームのようなガラス窓のテラスダイニング。相模湾の海の幸が供される。美味しい!そして見た目も美しいフレンチを一皿一皿のんびりと堪能する。ふ~幸せ。

そして翌日、シェネガで美味しい朝食をいただき、これも楽しみにしていた初島クラブへ向かう。なんせこのホテル、自らを“大人のリゾート”と呼んでいるのだから、期待も高まる。ところが熱海から乗り込んだ船から下りる人の多さに「?」。チェックインしたフロントの周囲で走り回る子供たちに「?」。案内された部屋は大きいけれど、昔ながらのセクシィ度ゼロのレイアウトに「?」。海を見下ろす素晴らしい眺めの大浴場で、ゴルフの結果を大声で語り合うオヤジの団体に「?」・・・大人のリゾートって・・・?

「やっぱり今日の予約でしたって言って、シェネガに連泊するんだったねぇ」うんざり顔の妻が呟く。・・・なるほど!「今から電話する?」「しなくて良いよ、さすがに夕食も食べちゃったしねぇ」おいおいっ!本気だったのか!

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2006年4月 8日 (土)

花見はシャンパン!「砧公園」

P10サクラの季節になると、日本の風景が一変する。車窓から眺める街が、冬の寒々しさから一気に明るく華やぐのは嬉しい。出張で見慣れた新幹線から眺める風景も、この時期だけは新鮮に映る。狂おしいぐらいの春の風景。ハクモクレン、レンギョウ、ユキヤナギもサクラと競うように街を彩る。日本中が淡いピンク色の花々に包まれるこの時期に初めて訪れる外国人は、この国を“サクラの国”として記憶するに違いない。

気持ちよく晴れた週末の午後、ビール、サンドウィッチ、太巻き、モッツァレラとトマトのサラダ、そしてシャンパンを買込んで、友人たちと一緒に砧公園に向かった。お花見で飲むシャンパンは旨い。大好き。じゃあ、普段は嫌いなのかというと・・・クリスマスでも、パーティでも、南の島でも、早い話、いつでも大好きだけど、花見のシャンパンは格別。キリっと冷えた辛口のシャンパンを、クーラーに入れて。アウトドア用のステンレスのグラスで乾杯!幸せの瞬間。(実は私の場合、お気軽なスプマンテやカヴァでも充分)ブーヴクリコ、モエ エ シャンドン、ニコラ フィアット・・・呪文のように唱えるだけで、幸せな気分になる。ふだんはちょっとセクシーな飲み物が、健康的でちょっと気だるい一杯になる。ロングドレスの似合う女性が、スポーツウェアも爽やかに、とても良い感じに着こなす感じ。・・・そして、シャンパンにはいろんな記憶が、いろんな思い出がある。

・・・お気楽夫婦のウェディング・パーティで、友人たちはシャンパンを飲み続けていた。会場はパークハイアットのバンケットルーム。会も半ばの頃にスタッフが恐縮して尋ねてきた。「皆さまシャンパンをご希望なんですが、引き続きお出ししていいですか?それとも他のお飲み物をお出ししますか?」「あ、良いですよ。どうぞ薦めて下さい」・・・私の読みが甘かった。底なしに飲み続ける友人たちの“飲みっぷり”を軽く見ていた。最後まで飲み続けたシャンパンの本数は、ホテルのスタッフを喜ばせるに充分な量だった。そして、パーティ予算の軽く2倍を超えた。「美味しかったねぇ」「楽しかったぁ」・・・そうだろうねぇ、私も招待される立場が良かったよ。(でも、ほんとに良いパーティだった)

・・・ふっ。あ、寝てた?明るい陽射しの下で飲むシャンパンには記憶を蘇らせる力がある。フラッシュバックのように記憶の中の映像が浮かび上がる。シャンパンの甘い効用。「日中に飲むと、何飲んでも寝ちゃうけどね」と、妻の声。あれ?そうだっけ?

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2006年4月 2日 (日)

シウマイだけじゃない!崎陽軒「嘉宮」

P1010268シウマイ弁当が無性に食べたくなることがある。もちろん、<崎陽軒>の。シウマイ(シューマイではなく、シウマイ)の旨さは、もう今すぐでも食べたいぐらい。それだけではない。ゴマがふりかけられた俵型のごはん。甘辛く煮込まれたサクサクの筍は、歯応えが抜群。付け焼きされた鮪は味が浸みて、これがまた旨い。新顔の鶏の唐揚げも良い仕事してるし、脇役のかまぼこと卵焼きの存在も欠かせない。そして何よりこれらのバランスの素晴らしさ。ビールのつまみとしてもOK。冷たいままで美味しい、というか冷たい方が美味しい。これぞお弁当!私の大好物。

しかし、この崎陽軒にレストラン部門があるとは最近まで知らなかった。お弁当やさん、シウマイ屋さんだとばかり思っていた。ところが、横浜駅前東口に、何軒かの飲食店を擁す6階建ての本店が聳ているのだ。ある日、その本店の2階、中国料理<嘉宮>に行った。東口の地下街、ポルタからエスカレータに乗り1階ロビーへ。あれれ?シウマイやさんにしては(偏見です。すいません!)豪華な室内。2階に向かう螺旋階段を上る。店内はゆったりとして、センスの良い調度品。中華街の有名店のような喧騒もない。案内された席は、ゆったり半個室のボックス席。スタッフの対応もスムース。やるなぁ、シウマイやさん!(・・・ってまだ偏見が抜けない)

接客スタッフのサービスの質も高く、何をお願いしても的確な対応。良い感じ。実は、お気楽夫婦は“味”はともかく“接客”にうるさい。と言うよりも、それが最優先。今まで何度店に入って何も注文せずに出てきたことか・・・。メニューの説明やことば遣いも適切。青島ビールを一気に飲んだ後に、薦められた紹興酒の“利き酒セット”を頼み、にんまり。5年、7年、10年の3種類を飲み比べ。嬉しい。料理も広東料理を基にしたオーソドックスなメニューと、季節の素材を活かしたオリジナルメニューのバランスが良い。

・・・そして、香港の“涙のローストダック”を思い出させる、“地鶏のロースト”のソースが旨い。甘酸っぱいソースと、カリカリの皮、ジューシーな肉、くぅ~っ、たまらん。他のメニューも満足の水準。さり気なく使われているウェッジ・ウッドも、嫌味なく良い感じ。・・・ん、気に入った。中華街には店が多すぎ、閉店時間も早いし、混んで並ぶことも多い。迷っている内に時間を浪費し、結局ハズレの店に入った経験も数知れず。「良い店だよね。シウマイ弁当は食わんけど、この店にはまた来るよ!」妻も気に入ったらしい。よし、この店を、“横浜中華の指定店”に決定。「で、次はいつ来る?」「・・・」

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2006年4月 1日 (土)

探し物は何ですか?「指輪物語」

P1010324友人夫妻と下北沢で芝居を観た帰り、余韻に浸りながら<都夏(つげ)>という店で一杯。と言っても友人夫妻は一滴も飲めず、妻も味見程度。酒を飲まない友人夫妻だけでは入りにくいということもあり、4人で訪れる店は“飲み屋”が多い。その日の店も人気の老舗、酒の肴が旨い居酒屋。酒が飲めなくても美味しいものは美味しいと言い張る3人。“美味しい酒と、美味しい料理の出会い(マリアージュ)”こそが、美味探求の醍醐味だと思うが、飲めないものは仕方ない。独りで(たっぷり)飲む。

2軒目、ヴェトナム料理の店<コム・フォー>へ。ここもお気に入りの1軒。料理も美味しいこじゃれた店。遅い時間にはコーヒーも飲めるバーとして利用している。そして、そろそろ終電という時間にその事件は起きた。店を出て駅に向かう道筋で妻が突然立ちすくむ。「あ、指輪がない!どこかで落としたかなぁ?」「え!どんな指輪?」「今日はこのピアスに合わせた指輪だから・・・」珍しく動揺を隠せない妻。「途中で落とした?店かな?」心配する友人夫妻。「分かった。じゃあ、二人は先に帰って!一緒に探して帰るから」「うん、分かった。後で連絡して!」

1軒目の店へ、人波に逆らい、懸命に路上を見ながら指輪を探し歩く。壊れたおもちゃの指輪、10円硬貨、今は珍しくなったプルリング、夜の街には実にいろんなものが落ちている。「また10円発見!これを資金に買い直そうか?」冗談も今は通じない。店に到着。事情を説明するとスタッフも一緒に捜索してくれるが発見できず。「見つかったらお電話します」とまで言ってくれた。2軒目も同様。良い店、良いスタッフ。でも諦めるしかない。何とか間に合った終電で気落ちした妻に声を掛ける。「また買おうよ。同じデザインは悔しいから嫌だろうけど」「・・・うん、ありがと」やはり元気がない。

家に戻って(念のためと思い)妻に尋ねる。「どんなやつだっけ?ルジアダの指輪だよね?」(万が一のために)妻のジュエリーボックスを覗く。「うん、グレーと白い石のやつ」
・・・ん?妻の言述に似た指輪が。あれ?なぜ?「ねぇ?これじゃなくって?」「えっ?そう!何でここにあるの?」「何でって、して行かなかったんだろうねぇ」「あちゃ~!」「あちゃー、じゃなくって、心配してるだろうから、すぐにメール送りな!」

『心配掛けました。指輪はありました!』すぐに友人から返信。『良かったね。でも、どこにあったの?』再度、妻から返信。『家にあった!やっちまいました・・・』友人から返信。『え?家にあったって?どういうこと?』・・・そういうことでした。

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